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D.K

映画「CASSHERN(キャシャーン)」(04年公開)のコンセプチュアルデザインや、小松左京賞受賞作で市原隼人さん主演で映画化もされた「神様のパズル」の原作の表紙イラストを手がけたイラストレーターのD.Kさん。10年発売予定の「ニーア ゲシュタルト」(Xbox360)、「ニーア レプリカント」(PS3、いずれもスクウェア・エニックス)のキャラクターデザインも担当するなど幅広い活躍を見せるD.Kさんに創作の裏側を語ってもらった。


マンガとの触れ合いは「タツノコアニメ」 ホームページでイラスト話題に

─D.Kさんは、どんな少年時代を過ごし、どんな絵に興味を持っていたのでしょうか?
イラストを描いたきっかけはを含めて教えてください。

私は韓国出身で、マンガとの触れ合いは「タツノコアニメ」ですね。ただ、熱心に絵ばかりを描く少年ではありませんでした。小学生時代には、ロボットが好きで、車や飛行機、ヘリコプター、戦車などを描いていました。中学生時代には、デパートでアルバイトをして、その合間に服のカタログやパンフレットなどを読んでいた感じで、あまり絵を熱心に描いてはいないんです。

─では高校時代に?

もう少し先があるんですよ。高校に進学してすぐ、ゲーム会社で働きたいと思ったんです。そこで韓国のゲーム雑誌に掲載されていた企業に片っ端から電話をかけて、「仕事がしたい」とお願いして、働けるようになったんです。企画職からスタートして、そこからいろいろな会社を渡り歩いていました。20歳くらいになって転職するうちに、ウェブ関係広告の会社に入って、インターネットに出会い、ワールドワイドでいろいろなことができる魅力に気付いたんですよ。90年代半ばかなあ……、自分のホームページを作って、そこにモンスターやメカ、ゾンビのようなクリーチャー(生き物)を描いて、ウェブにアップし始めたんです。

─90年代とはずいぶん早くからインターネットに取り組んだのですね。
では、そのホームページに掲載したイラストが話題になったのでしょうか。

いえ。その前にもう一つあるんですよ。私がホームページにアップしていたCGを収納していたコンピューターのハードディスクが壊れるというトラブルが起きたんです。もう一度同じことをするのもどうかと思ったので「何をしよう?」と友人に相談したんです。すると「次は、女の子のイラストを描いてアップしたら?」という答えが返ってきました。女の子の絵はそれまであまり描いていなかったので、「じゃあ……」ということでシャレのつもりでイラストをアップしていくと「可愛い」と言う声があって、どんどん描き始めたんです。すると日本のエンターブレインと飛鳥新社の編集者からメールが来ました。ずばり「絵を描いてください」という依頼でした。そのときに初めて「もしかして絵を描いて食べていけるのかな?」と思いました。イラストレーターを意識した瞬間です。

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「神様のパズル」「キャシャーン」との出会い 一晩でコンセプトの絵11枚

─日本から仕事の依頼メールが来るとは驚きですね。では、そこから日本へと来ることになったのですか?

直接的には、ゲーム「紅忍(レッドニンジャ) 血河の舞」の制作の誘いがあり、キャラクターデザイン担当として来日しました。その制作後にフリーとなって、ゲームクリエーターの友人から角川春樹事務所を紹介されました。「何か仕事がもらえたら……」という気持ちで行くと、編集者から「感じるものがある」と言われて、小説「神様のパズル」のイラストの仕事がいきなり来ました。

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─映画「キャシャーン」のコンセプチュアルデザインにも名を連ねています。この経緯についてもぜひ教えてください。

編集者から「どのマンガを読んでいる?」と聞かれたので、「マガジンZを読んでます」と答えたところ、マガジンZの編集部と交流のあるタツノコプロダクションに連れて行かれたんです。そうすると映画「キャシャーン」の製作が進んでいて、ちょうど紀里谷和明監督が「メカデザイナーがいない?」と探していたそうで……。

─タツノコといえば、D.Kさんのマンガの触れ合いのきっかけとなる会社です。驚きの展開です。

この話が決まる前、僕は「神様のパズル」のパーティーで飲んでいたんです。すると編集者から「すぐに『キャシャーン』のイラストを描き上げて持ってきて」といわれました。戸惑いましたが「やるしかないね」と開き直って、酔っているままその日のうちにコンセプトの絵を11枚描きあげて、持っていったんですよ。すると、気に入られて採用となりました。子供のときに大好きだったタツノコの映画製作にかかわっているわけで、そのアンドロイド軍団をデザインしていたのは、不思議な感覚でした。

─小説、映画と大変でしたね。その後の仕事の展開についても聞かせてください。

SF小説のイラストやマンガなど、いろいろなことに挑戦していました。そして、あるゲーム会社からオファーがあって途中まで参加していたんですが、意思に反して外れることになってしまいました。ショックのあまり、1年ぐらい何も手につかなくなって一時はヤケにもなったんですが、周囲の助けがあって持ち直して再トライしました。するとまた、編集者の紹介で、ゲーム会社のプロデューサーを紹介されて、「いつかお手伝いします」と約束したんですね。

─それがPS3とXbox360向けに発売予定で、ゲームショウでも注目された「ニーア」シリーズですね。

そうです。そのプロデューサーから手伝ってくれと連絡がありましたので、06年から3年間かけて作業をしました。

「自分を売り出すこと」におびえないで

─イラストなどのデータを販売する「vitcrew」のサービスについてどう思いますか?

非常に便利ですね。売りたいデータが簡単な操作で、一番いい形で提示できます。ハイパーリンクもブログに張れます。私もオリジナルイラストを壁紙集にしたりカレンダーなどにしたりしてアップしてみたいですね。

─デジタルデータ販売するシステムをどう思いますか?

肝心なのは、イラストレーター個人個人が自分のイラストを商品として売る「勇気」があるかでしょう。繰り返しますが、「自分を売り出すこと」におびえないでほしいですね。

─D.Kさんの今後の活動についてお願いします。

新しいお仕事はもちろん、練習していたマンガを描きこうと思っています。また、大切な友達が在籍しているフリーランスの制作集団「花見まわり」の活動も進めて素敵なアプリケーション作りにも力を入れたいと思います。応援よろしくお願いします。


D.Kプロフィール

D.K プロフィールD.K(ディー・ケー)1978年生まれ。2000年『カラフル萬福星』(ビブロス)でイラストデビュー。2002年第3回小松左京賞『神様のパズル』のイラストをはじめ、『CASSHERN』(04年公開、監督:紀里谷和明、楽曲提供:宇多田ヒカル)のコンセプチュアルメカデザイン等、日米で SF・映画・アニメ等でのキャラクター設定に携わる若手アーティスト。

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